5月3日舞台挨拶 越前屋俵太監督

Yokosuka1953 公開

会場:シネ・ヌーヴォ (大阪市西区九条)
上映時間:10:15〜

5月3日舞台挨拶(映画上映後)
登壇:越前屋俵太(ドキュメンタリー映画「奇蹟の船」監督) 木川剛志(Yokosuka1953監督)
舞台挨拶後、ロビーにて越前屋俵太さんの関連グッズ販売があります。

2021年/日本/107分
◎監督・撮影・編集:木川剛志◎撮影:上原三由樹 関戸麻友◎編集:筏万州彦◎主題歌:キャラバンキョウコ◎ナレーション:津田寛治◎出演:バーバラ・マウントキャッスル、木川剛志

戦後の混乱の中、横須賀で外国人の父と日本人の母の間に生まれた女性の数奇な運命を描いたドキュメンタリー。

映像作家で和歌山大学教授の木川剛志監督は、自身のSNSに届いたアメリカからのメッセージをきっかけに、歴史に翻弄された女性・木川洋子の66年にも及ぶ悲痛な思いを知る。1947年、神奈川県横須賀市で外国人と思われる父と日本人の母・信子の間に生まれたバーバラ・マウントキャッスル(日本名:木川洋子)は、当時の過酷な環境下で育ち、5歳の時に母と別れて養子縁組で渡米。それから日本に帰ることも母に会うこともなく66年が経った。木川監督は横須賀市にある洋子のゆかりの場所から縁者を探し、彼女の母・信子の足跡をたどる。 

〈上映スケジュール〉
◆上映スケジュールはこちらをご覧ください 〈鑑賞料金〉一般1800円、シニア1200円、会員・学生1100円
オンラインチケットはこちら 

舞台挨拶 越前屋俵太監督

5月3日の舞台挨拶のゲストは越前屋俵太監督です。「監督」と呼んでいるのには理由がありますが、それは舞台挨拶にいらっしゃったらわかっていただけると思います!

俵太さん(普段はそう木川は呼んでいます)との縁は長く(もちろんそれ以前もテレビで見たことはあったのですが)、木川の福井時代に街中のアートイベントで会いました。その頃は少しお話をする程度だったのですが、その後、木川が和歌山大学に異動し、観光映像をテーマとするようになって、俵太さんが作られた福井県小浜市の校区内型地場産学校給食を紹介する映像を見て、深くお話をするようになりました。その後、大学にも講演に来ていただき、俵太さんの授業に感動した観光学部の先生方が招聘して、今も谷俵太先生として、和歌山大学の教壇に立っていただいています。

俵太さんが作られた福井県小浜市の人々の生活を伝える観光映像

俵太さんは、出演する側だけの人ではありません。福井県の人たちのほとんどの人が俵太さんを知る理由は、福井テレビがかつて放送されていた「俵太の達者でござる」が爆発的な人気があったからですが、これは俵太さんの企画・演出です。他の作品はあとで載せる彼のプロフィールをご参照いただければと思いますが、彼は映像監督なのです。

そして、今、俵太さんは世界的に大きなプロジェクトに関わられています。20世紀最大の建築家と呼ばれるフランスのル・コルビュジェ。彼が難民たちのためにつくった船、それが「アジール・フロッタン」でした。なんと設計に関わったのが、当時コルビュジェの下で修行していた前川國男。その船を復活させるプロジェクトが進行中です。

アジール・フロッタン復活プロジェクト(外部サイト)

このプロジェクトを記録し、映画として公開する企画が進んでいます。これの監督をつとめているのが越前屋俵太さんです。

5月3日の舞台挨拶では、このようなドキュメンタリー映画監督しての顔も持つ俵太さんと木川が、Yokosuka1953を見て考える映像論。そして、ドキュメンタリーのあり方をお話します。

そして、舞台挨拶の中では、おそらく世界初公開であろう、この「奇蹟の船」のティーザー映像も上映します。舞台挨拶後にはロビーにて、越前屋俵太さんがグッズ販売もしてくださいます。どうぞ、ご来場よろしくお願いします!

越前屋俵太監督

越前屋 俵太(クリエイティブディレクター・書家・大学講師)

1961年 京都市生まれ 

関西大学在学中に、つまらない日常を少しでも楽しくしようと思い、テレビ制作会社でアシスタントディレクターとしてアルバイトを始める。企画会議で、売れているタレントを使いさえすればよいという、企画内容がない段階でのタレントブッキング先行型番組制作主義を完全否定。

「既におもしろいと認知されている奴がおもしろい事をしても何も面白くない。本当に面白いという事は、たとえ無名の人間であったとしても、やっている事がおもしろければ、それでいいんだ!」と発言したことがきっかけで、ADの立場のはずが、自らが責任を取る形で出演せざるを得なくり、その結果、街の中で一般人相手に、突然、おせっかいを仕掛けるというキャラクター「越前屋俵太」を作り上げ、自らがテレビ出演、大ブレイクした。

その後、その手法がビートたけしに認められ、初の全国番組NTV「OH!たけし」にレギュラー出演、関西では超人気番組「探偵ナイトスクープ」の立ち上げに関わり、従来の起承転結を最初から計算して演出する番組作りを覆した手法を考案、自らも出演して、番組人気に貢献した。1995年には、自分の考えた企画を責任ある一貫システムで表現したかったため、制作会社「越前屋電視社」を立ち上げ、企画立案、演出、編集作業までも自分でこなした。

福井では、自身が企画した、道端で偶然出会った人達と喋るだけで構成される「俵太の達者でござる」が驚異の大ヒット、日本民間放送連盟賞 娯楽部門 最優秀賞をフジテレビ「料理の鉄人」を破って受賞した。この番組の制作手法は、その後テレビ番組制作に大きな影響を与えた。大ヒット番組「水曜どうでしょう!」はこの直後に制作され、NHK「鶴瓶の家族に乾杯」は、この番組の手法を参考にして作られた。

慢性的に虚偽演出が横行しているテレビ業界の中で、数々のガチンコエピソードを残すが、中でもフランス首相エディット・クレッソンが「日本人は殺しても殺しても出てくる黄色いアリだ!」と批判した事を受けて、これは、お国の一大事と単身アリの格好をしてパリに乗り込み、抗議の為に首相官邸にノーアポで突っ込み、面会を断られ、それでも一歩踏み出すべきだと、そのままセーヌ川に飛び込んだ一部始終がフランス全土にニュース報道されている。ちなみにこの手法をパクって「電波少年」を制作したと、のちに元日テレT部長が告白している。

30年前、そんなやり方は番組じゃないとテレビ制作者達から、散々馬鹿にされていたが、「つまらないディレクターの下らない演出より、町をブラブラしている方がよっぽどおもしろい!」という俵太の喧嘩腰のコンセプトから生まれた「街ブラ企画」は、今では当たり前のようにテレビ番組に採用されている。

20年前、わかっていたとはいえ、視聴者が直接お金を払わずに企業が物を売る為だけの広告費で成り立つ、テレビメディアの収益構造及び視聴率を取りたいが為の虚偽演出、あるいは他人の企画をすぐパクりたがる、ビジネス優先の非クリエイティブ体質が本当に嫌になり、併せて自身も制作者であったはずが、精神的にタレント化してきた為、一度自分自身をリセットする意味で、「越前屋俵太」としての創作活動、経営していた会社もすべて放棄し、今までの業界の垢を奇麗さっぱり落とすべく、世捨て人となり京都の山奥に籠った。

その間、独自の経験の中から生まれた、現場での考え方や手法を学生達に教え伝えて欲しいという理由から、関西大学 総合情報学部では客員教授としてプロフェッショナル映像論ならびにエンターテインメント論を 仁愛大学 人間学部では准教授として企画開発研究、コミュケーション論を教えていた。その後、京都大学デザイン学ユニットからの要請を受け、FBL/PBL演習アドバイザーとして京大初登場以来、様々な大学から招聘されている。

京大の変人と呼ばれる先生方のわかりにくい話を、先生方と一緒に登壇して、一般人にもわかりやすくトランスレートした講座「京大変人講座」が、毎回を300人を越す聴講者で大人気となり、企画した「京大変人講座」本は5万部も売り上げ、学術本としては異例の大ヒットを記録した。

表現活動としては、「俵越山」なる、その場で一回しか書かない書家を考案し、創作活動をしている。俵の目指すところの「書」を使って自己を見つめ直し、格好をつけずにありのままの自分を解放し、素直に表現しようと言う考え方が支持され、小、中学校、高校、あるいは大学、企業などの依頼により「俵道場」なる新しい形のワークショップも行っていた。現在まで参加した人数は延べ7000人を超える。現在は自らの作品が飾ってある場所は、全て私の美術館である!というプロジェクトが始動している。

2年前、ACADEMIC VISION合同会社を立ち上げ、学問のアウトリーチ活動からIT会社の社内活性化プロジェクトまで幅広く活動している。

テレビメディアから遠ざかっている間、いろんな人たちに出会い、夢を語り合う中で、一度自らが消してしまったアホな子供心に、火がついてしまい、今度燃え尽きたら、死ぬだろうなと思いつつも、もう一度創作活動を再開しようと決意して今日に至っているらしい。

番組制作の主な賞歴

1987年 朝日放送「探偵ナイトスクープ」(演出・出演)                        
日本民間放送連盟賞 娯楽部門 最優秀賞

1992年 福井テレビ「達者でござる」  (企画・演出・出演)
日本民間放送連盟賞 娯楽部門 最優秀賞

1996年 大阪市『タバコのポイ捨て』CM   (構成、出演)    
カンヌ国際広告祭      広告部門   金賞 日本人初

1998年 初監督作品 「ハートマン」 島田洋七さんが企画して北野武さんからの推薦で監督をした。

著書

「想定外を楽しむ方法」KADOKAWA (2017)

「京大変人講座」(2019)「もっと京大変人講座」(2020)三笠書房

現職

関西大学 社会学部     客員教授
高知大学          客員教授
京都芸術大学        客員教授
北陸先端科学技術大学院大学 客員教授
京都外国語大学       客員教員
和歌山大学  観光学部   非常識講師
京都大学 変人講座     ディレクター
仕掛学研究会        顧問
不便益システム研究所    客員研究員
書家 俵越山
ACADEMIC VISION合同会社 代表社員

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次